タボラ発
第2回「Ekiden for Peace」が2月19日、1972年以来ブルンジ難民の居住区となっているウルヤンクルの中心部で開催された。日本とタンザニアのオリンピック選手らは、ウルヤンクル難民居住区のブルンジ難民や周辺住民、早稲田大学からのボランティア、タンザニア政府関係者、UNFPA(国連人口基金)及びUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)職員とそのパートナーNGOを含めた160人もの参加者とともに走った。参加者は20チームに分かれ、ウルヤンクル中心部にある一周3km(計9km)のトラックを、平和とジェンダーの平等を願って走り抜けた。
UNHCR、早稲田大学の共催に今年からUNFPAが加わり、在タンザニア日本大使館の協力のもと開催された。「駅伝」という日本の伝統的なスポーツが、アフリカにおける長期化した難民の状況や、旧居住区のブルンジ難民の問題に対する支援を強化し、タンザニアにおける、性と生殖に関する健康/権利とジェンダーの平等を呼びかけた。昨年ムタビラ難民キャンプにて初めて開催された
「Ekiden for Peace」には、トップアスリートとして善きライバルであり続けたジュマ・イカンガー氏と瀬古利彦氏が参加。競い合いつつも走りの中で結束力を見せた。今回はUNFPA親善大使で、日本のオリンピックマラソン代表であった有森裕子氏も新たに参加した。駅伝開始直前、イカンガー氏は聴衆に「日本のスポーツパートナー、難民、新たに帰化した市民、地元のコミュニティのみなさんと一緒に、ここウルヤンクル難民居住区にいることを光栄に思う。スポーツは私たちを結束させ、タンザニアにおける平和や帰化市民との結束力、ジェンダーの平等を促進する」と述べた。
難民や帰化市民を受け入れるウルヤンクル、タボラ、そしてルクワの2つの「居住区」は、成功した小規模農家によるコミュニティである。1972年にブルンジを逃れて以来、ウルヤンクル、ミシャモ、カトゥンバの居住区に住む「オールドケース」と呼ばれる元難民は、1980年代初頭より、自分たちの生計を立てる努力のみならず、地元に裨益する重要な食糧の生産をし、区税や経済に何十億タンザニア・シリングもの貢献をしている。38年かけて、ブルンジ難民はタンザニア社会に徐々に統合していったが、難民だったため、タンザニア国外に出ることを制限された。ここでタンザニア政府がタンザニア市民権に応募した33,000もの家族の帰化を認め、「居住区」の難民はタンザニア国民として新しい生活を始めることが可能となった。同時に、53,500人がブルンジに帰還することを選び、2008年から2009年にかけてUNHCRは帰還の支援も実施した。現在は、国際社会の協力を仰ぎ、タンザニアのコミュニティへの最終的な統合における初期段階で支援を行っている。
この居住区で自給自足の生活に成功した小規模農家として知られる1972年の「オールドケース」難民は、90年代にブルンジからタンザニアに避難し、主にキゴマ・カゲラ地域の難民キャンプに受け入れられた難民とは異なる。今日、ブルンジにおける和平プロセスは難民の自発的な帰還への道を開いている。2002年以降、50万人を超える90年代のブルンジ難民が母国に帰還した。タンザニアにおける唯一のブルンジ難民キャンプであるムタビラには、いまだ35,000人の難民が生活しており、UNHCR及び両政府はブルンジへの帰還を積極的に支援している。
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「Ekiden for Peace」について、二夜連続で、タンザニアより帰国したばかりの瀬古氏と有森氏がNHK教育テレビの「視点・論点」に出演。
視点・論点「人口ボーナス」 | ||
放送日時: | 3月1日(月)22時50分〜23時 (教育/デジタル教育1) 瀬古 利彦氏(WAVOCアドバイザー) |
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3月2日(火)22時50分〜23時 (教育/デジタル教育1) 有森 裕子氏(国連人口基金親善大使) |
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再放送日時: | 翌日4時20分〜4時30分 (総合/デジタル総合) | |
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