スーダン政府はスーダンに現在住んでいる南スーダン人を対象に、雇用の機会や公共機関へのアクセスを可能にする身分証の発行を始めた。このプログラムはUNHCRと、スーダンの入国管理部門の合意の下、今年2月からスタートした。2月からこれまでの間に5万4000人が登録し、3万7000人に身分証が発行された。身分証はスーダン人と同等の権利を付与するもので、就労の権利、資産の購入、移動の自由などもこれに含まれる。
現在、スーダンには約50万人の南スーダン人が暮らしている。そのうち約12万人は2013年12月に起こった南スーダンでの戦闘から避難した人、約35万人は2011年の南スーダン独立後もスーダンに残った人々だ。
南スーダンで紛争が勃発した直後からスーダン政府は南スーダン人は自国の国民と同じように扱われるべきであると公言し、南スーダン人に対して国境を開放し、寛容な姿勢を保ってきた。戦闘が続いている南スーダンへの強制送還を防ぎ、南スーダン人を保護するための政策の一環として、今回法的身分を保障する身分証が発行された。UNHCRはこうした政策を金銭面や技術的な面からサポートしている。ハルツーム州 にはすでに12ヶ所の登録所が設置されており、今後は6万6000人の南スーダン人が暮らしている白ナイル州や、他の地域にも設置し、登録を続ける予定である。
南スーダンでの紛争が勃発してからUNHCRはパートナー団体と共に8万4000人以上の南スーダン人を支援して来た。さらに白ナイル州、南コルドファン州 や西コルドファン州 では、政府関連団体、スーダン赤新月社、国連機関、そしてNGOなどにより、南スーダン人の生活基盤となる様々な公共サービスの拡充が行なわれてきた。
一方ハルツームでは、これまでに3000世帯以上に生活物資の供給などが行なわれてきた。
さらに紛争などで、家族と離ればなれになってしまった子どもの保護者を特定し、再会への手助けをしたり、不安定な生活を強いられている女性への生活支援、高齢者や身体の不自由な人への物資援助などを行なっている。
ここ1年2ヶ月の間に南スーダンで家を追われた人は200万人以上おり、そのうち周辺国へ逃れた難民は、エチオピア(19万6000人)、ケニア(4万5000人)、スーダン(12万1000人)、ウガンダ(14万4000人)で計50万人にのぼる。
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