アレッポ東部にある学校で、UNHCRから防寒着を受け取った子どもたち。
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シリア、ダマスカス発
シリアでの停戦を受け、UNHCRはシリア・アラブ赤新月社と協働でアレッポ東部にいる何千もの人々に人道的支援を届けた。アレッポに支援物資が入るのは昨年10月以来である。
シリア政府と反政府勢力は3月8日に6時間に及ぶ停戦に合意したため、薬、医療器具、防寒着、そして国連WFPによる食糧の供給が行なわれた。
支援物資は、近づくのが困難とされるバスタン・アル・カスル(Bustan Al-Qasr)、アル・アンサリ(Al-Ansari)、アル・フィルド(Al Firdos)、アル・スカリ (Al-Sukari) 、そしてシリア二番目の都市、アレッポの近郊にあるムワサラット(Mwasalat) に避難する7000人に届けられた。
今回の停戦はUNHCRとシリア・アラブ赤新月社の交渉により実現した。支援物資はUNHCRのトラックでアル・カスルまで運ばれ、そこから45台の車両に積み込まれ、最前線へと運ぶという作業が何往復も行なわれた。防寒着は学校にいる子ども達に直接届けられ、医療器具や食糧はアル・ザラウア(Al-Zaraour) 病院に一括して運び込まれ、そこからこの地域の他の医療機関へと送られる予定だ。
UNHCRのアミン・アワド中東北アフリカ局長 は、「各団体が協力して行動に及ぶことが、アクセスが困難な地域にいる人々への人道的支援を行う上でとても重要だということを示した」。と語った。
アレッポ東部はシリア紛争が2011年3月に始まってから戦地となり、悲惨な状況が続いてきたが、それでも60万もの人々が生活している。最後にUNHCRがアレッポ東部に支援物資を届けた2014年10月以降、人々は深刻な食糧不足、公共サービス、薬や医療器具、水や衛生機関へのアクセスが困難とするなど、過酷な生活を送ってきた。
昨年UNHCRは紛争地や、武装勢力に包囲された地域にいる450万人にテント、毛布、スリーピングマットなどの生活必需品を届けた。
シリア紛争が5年目に突入した今、1220万ものシリア人が人道支援を必要としている。このうち760万人はシリア国内で避難を余儀なくされ、560万人が子ども達である。
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