イスラマバード 、パキスタン発 グラム・サーキ(45歳)は25年間過ごしたパキスタンを離れ、ふるさと […]
イスラマバード 、パキスタン発
グラム・サーキ(45歳)は25年間過ごしたパキスタンを離れ、ふるさとであるアフガニスタンへ帰還する。希望を抱きつつ、その胸中は複雑だ。
サーキは現在、UNHCRの「自主帰還プログラム」の下、アフガニスタンのヘラート 地区へ帰還する62家族(265人)を率いている。
「アフガニスタンにはまだ住むのが困難な地もありますが、私は家族とともに帰還することを決めました。ヘラートの治安、生活レベルは改善されているからです。」と語った。
サーキのグループはパキスタンのバロチスタンで暮らしていたアフガン難民であり、今年初の帰還民のグループである。
既にヘラートに帰還した年長者たちは、定住するため土地を購入しUNHCRから一家族につき200米ドル、さらに生活必需品や防寒具を受け取った。
今年初めからこれまで、UNHCRは最大且つ最長のプログラムである「自主帰還プログラム」のもとパキスタン から帰還する5万1000人のアフガン難民の支援を行った。(ハイバル・パフトゥン州 から2万6000人、バロチスタンから5800人、パンジャブ から1万1300人、シンド から4000人、次いでカシミールから2800人が帰還)
アフガニスタンに避難している難民のうち34%がアフガニスタン北部へ、31%がアフガニスタン中部へ、19%がアフガニスタン西部へそれぞれ帰還した。アフガニスタン南東地域への帰還は治安への憂慮から9%に留まった。
バロチスタンで活動するUNHCRの代表は「自発的な帰還は、アフガン難民の問題解決への基盤になります。」と語った。
8月21日に、カブールで行なわれたアフガニスタン政府、パキスタン政府とUNHCRによる第26回三者会談にてアフガン難民が安全かつ尊厳を持った自主的帰還が出来るよう確認を行なった。自主的帰還がパキスタンにいるアフガン難民にとっても好ましい恒久的解決策であり、継続すべきである点でも合意に至った。
パキスタンのUNHCRイスラマバード事務所代表は、パキスタンの寛大で継続的なアフガン難民への支援をさらに促し、あくまで自主的な帰還が大事であると主張した。
「アフガニスタンは人的資源が豊富でパキスタンに逃れた難民のうち12歳〜30歳が44%を占めています。これらの若者が帰還した後にアフガニスタンに貢献出来るよう、教育や職業訓練に重点を置いた支援が必要です。」
2002年から現在までおよそ390万人のアフガン難民が自主的な帰還を果たした。
帰還が進む一方で、150万人ものアフガン難民が現在もパキスタンに留まっている。
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