2014年 2月25日 中央アフリカ共和国、バンギ
UNHCRは2月25日、中央アフリカ北西部から南西部にある避難所18ヶ所、1万5000人に対する保護強化の必要性を訴えた。UNHCRのエイドリアン・エドワーズ報道官は「今回保護強化の対象としている1万5000人は、攻撃を受ける可能性が大変高く、早急に保護を強化する必要がある。」と訴えた。昨年9月から宗教を理由にした攻撃が繰り返されており、キリスト教とイスラム教双方のコミュニティに影響が出ている。コミュニティ同士が歩み寄ろうと努力する一方で、残虐な暴力行為が絶えない状態が続いている。
UNHCRとパートナー団体は、人道支援、保護を強化するための働きかけ、さらに危険にさらされたコミュニティを安全な場所へと移動させるなどの活動を行なっている。しかしこのような活動自体が人道危機の根本的解決に直接つながるわけではない。
エドワーズ報道官は「中央アフリカでの戦闘に関わるすべての勢力に対し、一般市民に対する無差別攻撃をやめるよう訴えたい。またこの人道危機の規模を考慮し、中央アフリカに派遣する国際部隊の規模拡大も要求している。」と語った。
中央アフリカの新政府はこの緊急事態に対し、警察の配備や、犯罪を取り締まる司法制度の確立など、新たな法律を施行する必要に迫られている。
昨年12月から続く暴力行為と治安悪化により、中央アフリカ国内では多くの人が移動を強いられ、周辺国であるカメルーン、チャド、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国へ多くの難民が逃れている。中央アフリカ国内には66ヶ所以上の避難所があり、首都バンギでは27万3000人が避難生活を送っている。中央アフリカ全体の国内避難民の合計は70万人を超えている。さらに難民となって周辺国へと逃れた人数は28万8000人である。
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