6月20日、「世界難民の日」に関連したイベントが世界中で行われた。
アントニオ・グテーレス高等弁務官はこの日をシリア難民が多く避難するレバノンの難民キャンプで迎えた。「紛争を予防したり、解決する事が出来ないという現実がいかに大きな犠牲を払うのかを我々は目の当たりにしている。平和が危機に瀕している。人道支援は一時的に問題を緩和することは出来るが、政治的解決が不可欠である。」
アンジェリーナ・ジョリーUNHCR特使はタイのバンマイナイソイ難民キャンプを訪問し、暴力と暴力が生み出す強制移動の悪の連鎖を断ち切ろうと訴えた。「紛争予防のために全力を尽くすことは国際社会に課せられた責任です。今日、これほど多くの難民・避難民がいるということは国際社会がこの責任を全う出来ていないことを意味します。」
この世界難民の日に世界中で映画上映会、パネル・ディスカッション、ファッション・ショー、コンサート、スポーツ大会など様々なイベントが行われた。
アジア太平洋地域
オーストラリアのキャンベラでは難民への理解を深めるための写真展が開かれた。
日本ではプランタン銀座の正面入口にUNHCRのテントが設置され、キヤノンによる柱のラッピング・ディスプレイやパネル展示、テントの中ではスタッフがUNHCRの活動を紹介した。UNHCRのパートナーであるユニクロは、新宿のビックロの全フロアで「世界難民の日」のイメージが店内のデジタル・ディスプレイに投影され、難民キャンプなどへ送るための服の回収を行った。また難民について理解を深める学生主催のイベントでは、日本でレストランを経営している難民が料理を提供し、食を通して参加者と交流した。
中東地域
レバノンの首都ベイルートではグテーレス高等弁務官がUNDPと協働で推進しているシリア難民の医療支援に関するイベントに参加した。サッカーワールド杯が開催されていることを受け、ヨルダンのザータリ難民キャンプや、ケニアのダダーブ難民キャンプではサッカー大会が開かれた。
アフリカ
エジプトでは8.6キロのマラソン大会が開かれ、約600人が参加した。南アフリカではファッション・ショーや映画祭、コンサートなどを通じ、避難を強いられている難民がたくましく生きる姿が伝えられた。
欧州
UNHCRジュネーブ本部は携帯用の無料アプリを立ち上げた。難民に関するニュースや難民のストーリー、写真、ビデオなどをまとめて観ることが出来る。
オーストリアの首都ウィーンでは有名店、カフェ・ラントマンの壁一面に世界難民の日のメッセージが青く投影された。
アメリカ
ワシントンDCでは、アメリカに定住している難民女性が一同に会しコンサートが開かれた。ヴェネズエラでは難民の子どもたちが社会になじめるよう後押しするための音楽イベントが行われた。
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