イラク
1年ほど前にシリアからイラクへ避難してきた52歳のハリマ・ムラッドと家族は、スレイマニアにあるキャンプに身を寄せている。
イラクの比較的安全なクルディスタン地域にある小さなテントでの生活は、冬は氷点下まで下がり、夏は摂氏45度を超える厳しい暑さ、さらに砂嵐にも耐えなければならないという環境だ。しかし今回、ハリマは新しいマットレスと軽い毛布を受け取って嬉しそうな顔を見せてくれた。「今まで冬用の毛布しか持っていませんでした。夏に使うには重たすぎるからです。」
ハリマの家族と同様、このキャンプに住む3000人の難民は、昨年8月にシリアから避難してきた。過去3年間で難民となった300万人のシリア人の内、25万人以上がイラクのクルディスタン地域に身の安全を求めてやってきた。
ハリマが今回受け取った寝具には、世界各地で慈善活動を展開するIKEA Foundationが寄付した250万米ドルの一部が充てられた。IKEA FoundationはUNHCRにとって民間企業では最大のパートナーであり、これまでもヨルダンやレバノンに住むシリア難民に対して商品の提供を行ってきた。IKEA Foundationがイラクのシリア難民に対して支援を行うのは今回が初となる。
「紛争で生活の基盤を奪われた家族や子どもたちに、イケアの商品を贈ることで少しでも家庭の暖かさと安心を感じてもらえるよう願っています。」と、IKEA Foundationの戦略・広報部門のジョナサン・スパンピナートは語った。
今回、アルバットに住む難民には15万枚のマットレス、薄手の毛布、そしてシーツなどが来年にかけて贈られる。また、UNHCRは8万枚のマットレスをイラクの国内避難民に支給する予定で、既に2000枚のマットレスがアルハムダニヤに住む人々の元に届けられている。
アルバット難民キャンプでは、36歳のアブ・ラクマン・カリルがマットレス支給の最前列に並んでいた。妻のシタと6人子どもたちと共に、新しい寝具で眠るのを楽しみにしてるのだという。「毛布は薄くできているし、マットレスもとても上質です。これで熱い夜でも心地よく眠れます。」と、受け取ったマットレスを手に語った。
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