アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は、ヨルダン、シリアの国境で、夜の闇の中、何時間もの徒歩の末、助けを求め、ヨルダンに入国したばかりのシリア難民の様子を目の当たりにした。
毎夜多くのシリア難民がヨルダン国境を越える。不安で泣き叫ぶ子どもの手をとる親、寒さのあまり毛布にくるまりながら歩く少年、国境までの道中で銃撃にあい傷を負っている者もいる。
この事態を目撃したグテーレス高等弁務官は、「女性、子ども、老人、暴力で傷ついた人が自分の国を追われ、安全を求めて毎晩このようにヨルダンに逃れて来る。避難してくる間、家族や大切なものを失い、トラウマを背負う人も多い。このような恐ろしい人道的悲劇が起きているのにも関わらず、いまだにこの紛争は終わりの兆しを見せない」と沈痛な面持ちで語った。
避難した人の中には、故郷の村が空爆された経験を持つ子どももいる。このシリア危機は幼い子どもの安全な暮らしと学びの場を奪っている。
グテーレス高等弁務官は、シリア難民とその受け入れ国に対する支援、その支援が効果的に執り行なわれるために、各国政府や政治家に対してさらなる資金援助が今まさに必要だと呼びかけた。(3分33秒)