3年前自宅が爆破されてレバノンに避難を決めたイマドは、現在レバノン北部トリポリに住む。シリアから持ち出してきた所持金はすぐに尽きた。イマドは言う、「UNHCRで難民登録を済ませ、UNHCRが支給してくれる食料生活用品購入用のバウチャーで暮らしています。ここには頼れる者もいなく、家賃も3ヶ月滞納しています。早く支払わないとここを追い出されてしまいます。」
イマドだけではない、毎日何百人もの難民がこの町にやってくる。イマドはどうにか彼らの手助けをしたいと考えた。UNHCRのプログラムに参加し、面談を通して難民の人それぞれ異なるニーズを把握するトレーニングを受けた。ワークショップでは、様々な状況を想定して模擬面談を行う。家族の健康状態、仕事の当てはあるか、など。
避難して来たばかりの難民は、右も左もわからない。この3ヶ月でイマドは25世帯の家族のサポートをした。この日は2人の子どもが重病で一刻も早く医療サポートを望む男性と面談した。治療はさせたいが、子どもの世話をしなければならないため働きに出ることができないという。イマドは治療費の支援を受けることができるよう手続きの手助けをする。
イマドと彼の家族はレバノンに住む場所を見つけた。イマドは言う、「私はとても大変な思いをしました。だからこそ、他人の痛みを理解することが出来ると思うのです。」イマドのようなボランティアは、避難してきたばかりの難民への対応を迅速化する。
現在、30万人以上のシリア難民がレバノンにおり、その数は今も増え続けている。(3分34秒)