今週月曜日、緊急人道支援を行う国連機関のトップが共同でシリア危機への支援を世界に訴えた。
ヴァレリー・エイモス 人道問題担当国連事務次長 兼緊急援助調整官
アーサリン・カズン 国連WFP事務局長
アントニオ・グテーレス 国連難民高等弁務官、アンソニー・レイクUNICEF 事務局長、
マーガレット・チャン 国連WHO事務局長
シリアでの紛争が始まって2年以上経過し、何千人もの子どもを含む7万人以上が命を落とした。500万人以上が家を追われ、100万人を超える人が周辺国へ難民となって逃れている。家族は離ればなれになり、コミュニティは崩壊し、学校や病院、水道設備は破壊された・・。これほどの犠牲が出てなお、国際社会はこの事態に対する緊急性を理解しているとは言いがたい。
我々は国連機関のリーダーとして、シリア及びシリア周辺の未来のために各国政府が果たすべき責任を訴えたい。家を追われ、命を落とし、未来を奪われるシリア人がこれ以上増える前に、国際社会は団結して政治的解決を試みなければならない。
国連機関と人道支援を行うパートナー組織は、出来うる限りの支援を行ってきた。政府や人々の善意に支えられ、これまで100万人を超える難民を保護した。食糧、水、生きるうえで必要不可欠な支援物資を550万人のシリア人へと届けた。健康を守るための支援活動も行い、150万人の子どもたちに、はしかやポリオの予防接種を行った。
それでも支援が充分に行き届いているとは言いがたい。治安の問題、支援の為の予算の欠如は深刻で、我々が行える支援の規模が小さくなることに反比例して、支援対象者は増える一方だ。最悪、あと数週の間に既存の人道支援を中断せざるを得ないだろう。
我々が今こうして訴え、求めているのは、単に物的、金銭的支援への貢献ではない。金銭的貢献よりもさらに意義深いことへの貢献である。シリアでの紛争に関わっている全ての人々と、この紛争を解決する影響力を持つ全ての政府に向けて我々は訴える。
耐え難い苦痛を経験したシリアの人々、そして未来が今まさに奪われそうな人々の声を代弁して言いたい。もう苦しみはたくさんだ。今こそ各国が持つ影響力を行使し、シリアの人々、そして不安定なシリア周辺地域を救うため力を合わせる時である。
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