スポーツは国境を越える。それはここレバノンでも同様だ。
タレクはかつてシリアのナショナルチームのスタープレーヤーだった。だが、紛争で多くのチームメイトが命を落とした。タリクにとって彼らは兄弟のような存在だった。
タリク自身もレバノンへの避難を余儀なくされ、一時はサッカーへの情熱を失いかけた。だが、今はシリア難民と地元レバノン人で結成されたサッカーチームのコーチをしている。
サッカーチームでプレイをすることはシリア出身の選手達にとって、紛争での辛い経験を忘れるセラピーのような効果を与えている。また、シリア難民の数が増え続けるレバノンのコミュニティで緊張を緩和し、両者をつなぐ役割も果たしている。UNHCRは彼らのために、練習用のグラウンドとTシャツ、サッカーシューズを提供した。
選手たちはともにプレイをすることで交流を深め、どんどん練習にのめりこんでいる。チームは本当の意味でのチームになりつつある、とタリクは言う。
このチームでいつまでプレイを続けることが出来るかはわからない。だが、今のところこのサッカーチームは選手達にとって、大きな希望となっている。(3分3秒)