ヨルダン、ザータリ難民キャンプ
2013年6月20日発
アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官とアンジェリーナ・ジョリーUNHCR特使は6月20日「世界難民の日」、急激に規模が拡大しつつあるヨルダンのザータリ難民キャンプを訪れ、キャンプ内のシリア難民と面会した。シリア危機の深刻さを物語るように、いまやザータリキャンプは12万人以上が避難生活を送る世界で2番目に大きい難民キャンプである。(世界最大のキャンプは40万人以上を収容するケニアのダダーブ難民キャンプ)
「世界中どこを探してもザータリ難民キャンプほど紛争の残虐さと、人々の苦しみをこれほどまで体現している場所はない。世界中のリーダーに向けてこのシリア危機を終結する努力をしようと呼びかけなくてはならない。そして、我々は支援を必要とするシリア人を全力でサポートしていかなければならない」とグテーレス高等弁務官は述べた。
また、ジョーリー特使は「シリア危機は今日世界で最も深刻な人道危機です。9万3000人が紛争で命を落とし、何百万人もの人が避難生活を送っています。この紛争の当事者は、市民を襲撃しないよう、またすべての人が人道支援を受けられるよう心から願います。世界のリーダーがこの残虐な行為を終結するために全力を尽くし、外交的意思をまとめ、国連安全保障理事会が解決の糸口を見出すことを望みます」と述べた。
その後ジョリー特使とグテーレス高等弁務官はキャンプ内を視察し、難民の家族たちと面会し、シリアでの過酷な経験、紛争が子どもたちに与えている恐怖などの訴えを聞いた。「我々は、この『世界難民の日』という日を、今も苦しみ続けるシリアの人々と共に世界中に発信する」とグテーレス高等弁務官は述べた。
滞在中、グテーレス高等弁務官は、アブドッラー・アル=ヌスール首相やファイ
サル・ビン・アル・フセイン王子を始めとするヨルダンの政府高官とも面会し、シリア難民支援がヨルダン国家のインフラや公的サービスに大きな経済的影響を与えているとの訴えを聞いた。また夜にはワシントンDCで行われた『世界難民の日』イベント会場のジョン・ケリー国務長官ならびにアン・リチャード人口・難民・移民担当国務次官補ともビデオで対談した。
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