2013年 10月22日 シリア ダマスカス発
シリアでの紛争が続く中、UNHCRは最も危険且つ支援を必要としている地域への支援を続けている。10月14日、首都ダマスカスの南東モアダミヤから避難所に逃れて来たばかりの2500人に緊急支援物資を届けた。UNHCRはシリア国内に避難している人々の避難生活を人道的保護の観点からのニーズを掌握するだけではなく、マットレスや毛布、調理器具、衛生用品など、必要不可欠な物資を届けている。
10月初旬、地元のパートナー組織の協力のもとアクセスの難しい地域であるラッカへ支援物資を運び、1万人以上が支援物資を受け取った。シリア北部に位置するラッカでは、デリゾールやアレッポなどから避難してきた人々が生活している。さらにUNHCRはホムス近くのアクセス困難な地域に避難する1万人に支援物資を運び届けた。
「シリアの国内避難民の多くは、窓やドアや電気のない建物で生活している。これから冬が来るので、あたたかい毛布や寒さをしのぐためのビニールシートが必要だ。また、多くの人が集まる避難所などでは、女性からはプライバシーが守られていないとの声もきかれる。」とエイドリアン・エドワーズ報道官は語った。
UNHCRはシリアの国内避難民300万人に支援を届けることを目標としている。毎週1万4000から1万5000世帯に支援物資を届けるべくトラックが行き来するが、これは毎週10万人に物資を届けている計算になる。しかし、現在シリアの国内避難民のは国連発表数の425万人をはるかに超えるとみられている。
そんな中、冬が近づいている。「シリア地域の気温が下がり始めており、今後は防寒のための支援をいかに迅速に行うか、時間との闘いである。UNHCRは冬に向けて3万5000人分のシェルター補強作業を既に行なったが、目標は8万人分である。」
エドワーズ報道官はこう続ける。
「我々が特に憂慮しているのは、コミュニティに属するという感覚の欠如と、危険と隣あわせの状況がもたらす子どもへの悪影響である。およそ200万人の子どもたちが教育の機会を失い、かわりに労働に従事したり、武装グループからの勧誘などの脅威にさらされている。」
親と離ればなれになり、トラウマと恐怖を感じながら生きている子どもは多い。UNHCRは、弱い立場に置かれた子どもたちや女性の直面する現実を危惧している。
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