スイス、ジュネーブ、2013年11月8日発
今年10月までに、海路でイエメンにたどり着く人の数が6万2000人を超えた事に関してUNHCRは懸念を表した。
UNHCR 報道官の エイドリアン・エドワーズは、ここ6年は海をわたってイエメンにたどり着く人が極めて多いとした上でこう語った。「昨年は、10万7532人が海を渡って避難した。今年は6万2194人と昨年と比べて少ないが、アデン湾は難民や移民を含む人々の移動において世界で最も頻繁に使われている海路だといえる。」
統計を取り始めた2006年以来、約50万人以上の庇護申請者、難民、移民がイエメンへ海で渡った。その多くはエチオピアから逃れてきた人々であり、その理由は厳しい経済状況にある。彼らはイエメンから湾岸諸国へ渡れることを望んでいる。
ソマリアから逃れてきた人はほぼ全員イエメン政府に難民として認められる。UNHCRはエチオピアやエリトリアなど他の国からの庇護申請者の難民認定を手伝っている。ソマリア地域からイエメンへの避難はUNHCRが把握している中でも最も危ない海路の一つである。シリア難民を含む数百人が欧州を目指し、地中海で亡くなったのは記憶に新しい。東南アジアでは、先週、ミャンマーの沖、ベンガル湾でボートが転覆した結果、数十人が行方不明となっている。
「UNHCRはこの現状を踏まえて難民、移民など、人々の移動によって影響を受けている国々が互いに協力し合うことを強く求めたい。また、来週イエメン政府によって開催をされる難民の庇護と移民政策に関する会議を国際移住機関(IOM)と共に行っている」とエドワーズ広報官は述べた。
3日間に及ぶ会議は、イエメン首都サヌアにて開催される予定となっている。参加者はソマリア政府、湾岸諸国、ドナー国、NGOなどの関係機関である。イエメンでの会議における目的はソマリア地域とアラビア半島間で「混在する多様な人の移動(mixed migration)」の地域対応計画を策定することにある。
計画の目標は人命救助(庇護申請者及び難民の保護システムを確立すること)、移民とホストコミュニティーが直面する困難を和らげること(人身売買ネットワーク及び密入国に対する法の強化や、自発的帰還プログラムへの資金増加、そして、合法的な移住への選択肢の拡充、及び不法に入国する上でのリスクの周知)などである。
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