2012年3月8日、ジュネーブ発、
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、3月8日の国際女性の日によせて、7カ国における1000人の難民女性の声を取り上げた『助かる、守る、給する:難民女性からのことば』を発行し、女性に対する待遇改善と無国籍者の問題の解決について声明を出した。
UNHCRの調査によると、女性に対する不平等な待遇が国籍法に影響を与えており、少なくとも25カ国において母親の子どもへの国籍承継が認められていない。母親の国籍を子どもに承継できない国は、中東・北アフリカに12カ国、サハラ砂漠以南のアフリカに9カ国、アジアに4カ国、アメリカ大陸に2カ国存在するとしている。これらの国では、両親のどちらか、もしくは二人とも無国籍者である場合、彼らの子どもも無国籍者となる可能性が高い。また、国籍を保証する公的文書を残さずに父親が死去した場合なども、子どもたちは法的に困窮した立場に置かれる。世界では、どの国からも、市民や国民と見なされない無国籍が約1200万人存在し、その半分が子どもであると推計される。無国籍者はあらゆる場所で見過ごされ、世界で最も困窮した立場におかれるている。
UNHCRは、現在多くの国に対し国籍法における男女平等実現のために働きかけている。アルジェリア、バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラク、ケニア、モナコ、モロッコ、スリランカ、チュニジアやジンバブエは、法改正によって、女性にも子どもに国籍承継を認めた。また、UNHCRは女性の地位向上と男女の平等実現に尽力しており、国連難民高等弁務官のアントニオ・グテーレスは、庇護対象者の声を掬い上げることは、UNHCRの重要な保護・支援活動のひとつであるとしている。
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『助かる、守る、給する:難民女性からのことば(Survivors, Protectors, Providers: Refugee Women Speak Out)』はこちらからご覧いただけます(英語)