ヨルダン(2012年9月11日)発、
アントニオ・グテーレスUNHCR高等弁務官とアンジェリーナ・ジョリーUNHCR特使は、国境を越えてヨルダン北部に避難するシリア難民を訪れた。二人はザータリ難民キャンプで困難な状況に置かれる約3万人のシリア難民の苦悩や避難中の残忍な話に耳を傾けた。さらにジョリー特使は、強盗や暴力の被害に遭いながら避難し、トラウマに苦しむ200人のシリア難民のグループとも面会をした。
グテーレス高等弁務官とジョリー特使は、自国の深刻な水不足や経済的負担にも関わらず、避難民に対して門戸を開放する、避難所を提供するヨルダンに感謝の意を表した。そして、ザータリにいる難民の生活改善のための更なる協力を国際社会に呼びかけた。
10年以上もの間UNHCRと共に活動し、多くの難民と直接触れ合ってきたジョリー特使は、「難民が国境を越えるとき、難民が家や学校教育、財産などすべてのものを失い難民となる瞬間に、実際に立ち会えることは稀である」と語った。そして難民の子どもたちがシリアからヨルダンへの避難中に見て、体験した恐ろしい出来事を聞くことは特に心苦しいと述べた。子どもたちの中には、人が引き裂かれたり、燃やされたりする人を目撃したものもいた。グテーレス高等弁務官とジョリー特使は訪問中、保護者のいない未成年者とも会った。3万人のシリア難民がキャンプで避難生活を送る一方で、ヨルダンに逃れてくるシリア難民のほとんどは都心部のホストコミュニティーに避難している。
難民の話によるとヨルダン国境付近の町や村では、いまだに砲撃が続いている。そしてシリア南部では、国境を越えられず安全な町を求めて移動を続ける何千人ものシリア難民が報告されている。UNHCRは、ヨルダン政府やその他の国連機関、NGOと協力しながらシリア難民への支援を続けているが、砂漠の風にさらされたザータリの状況は以前厳しく、多くの難民がテントで避難している。冬が近づくにつれて、UNHCRはプレハブ式の住居(一日平均30世帯が建てられる)に難民を移動できるよう勤めている。
詳しくはこちら(英語)