国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ヨーロッパに庇護を求めるシリア難民が次第に増加していることを受け、EU諸国に対し、共通の難民保護指針の着実な実行を改めて要請した。欧州委員会によると、ノルウェー、スイス、EU諸国は、2011年1月から2012年8月の間に、1万6,474件の難民申請を受け付けている。
多くのEU諸国は、シリア人への難民認定と保護をしているが、保護方針や難民が受けられる地位や権利は国家によって異なる。東欧では、難民申請が50%以上却下されたり、実際の保護よりも最低限の状態での滞在を提供している国もある。
イラク、ヨルダン、レバノン、トルコが多くの難民を受け入れており、現在34万人のシリア難民が避難している。一方で、ヨーロッパに渡るシリア難民の数は、過去18か月で2万人以下で、それほど多くない。
「この危機が続けば、それに付随し新たな難民の到着に関する国家レベルでの対応策が必要である。そして、状況によってはEUレベルでの一時的保護に関する指令等の適応を考えなくてはいけない。」と、UNHCR 広報担当官は語る。
EU諸国は、シリア地域対応計画に多大な貢献をしている。現在までに全体の29%にあたる800万ユーロの資金提供を行っており、さらなる資金提供も検討中である。
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