サルーム、エジプト 3月22日発‐
政府軍と反体制派の衝突を受け、リビア東部では国内避難民が増え続けている。
エジプトのサルーム国境を19-20日の週末に越えたリビア人によると、避難所として学校や大学施設のみならず、受け入れてくれるホストファミリーなどを探している。2月中旬より勃発しているリビアでの衝突を逃れるため、隣国に逃れた数は32万以上にも膨れ上がったが、リビア国内で避難している数は未だ定かではない。衝突を逃れたほとんどは外国籍であり、リビア人はわずか、8人中1人の少数である。
リビア上空における飛行禁止区域という制裁措置が国連によって取られたにも関わらず、いくつかの地域では依然として衝突が続いている。このように支援を続けることが困難な状況の中、UNHCRは反体制派の拠点となっているリビア第2の都市、ベンガジにトラック何台分もの救援物資(毛布5,000枚、寝袋5,000組など)を国連世界食糧計画(WFP)のトラックに乗せて運送する。また急激な価格高騰の影響を受け、東部における医療品や生活用品の不足が報告されている。
サルームに逃れてきたリビア人は、政府軍による報復攻撃を恐れ、午後4時以降になると外を出歩かないようにしていた、という東部の緊迫した状況をUNHCR職員に伝えている。
一方、エジプト国境での外国籍者の本国への帰還が大幅に進展しており、21日の時点で残り1,700人となった。この内、約270人は難民や庇護申請者であり、1,300人以上は乗り継ぎの交通手段を待つチャド人である。
チュニジア国境付近においてUNHCR職員はリビア国内で鳴り響く銃声を耳にしている。政府軍の支持者であるリビア人は21日、国境において見せしめのショーを行った。それにより、新たに逃れてきた難民の中には、検問所での嫌がらせなどを訴える者もいた。約4,700人が避難するチュニジア国境に位置するチョウチャの一時滞在キャンプでは、帰還への取り組みが続けられている。3月上旬以降、UNHCRと国際移住機関(IOM)は緊急避難プログラムのもと、58,200人、260便を利用し、チュニジア、エジプト、アルジェリアからの帰還を実現した。その他はそれぞれの政府の支援により本国へと帰還している。