アンジェリーナ・ジョリーUNHCR親善大使とアントニオ・グテーレス高等弁務官は19日、イタリアのランペドゥーサ島において、アフリカからボートで避難してきた人を訪問した。2人は、北アフリカから難民や庇護申請者を含む移民を乗せたボートが到着したポルタ・デウロパを訪れた。4万人以上が、収容可能数を上回る人数を乗せた船で命がけで地中海を越え、ランペドゥーサ島にたどり着いた。そのうち1500人以上が命を落とした。
グテーレス高等弁務官は、「ヨーロッパ境界で紛争が多発する際、一国ができる最も重要なことは、門戸を閉ざさないことだ」と強調し、アフリカ、とりわけリビアでの衝突から逃れた人を受け入れるようヨーロッパ諸国に要請した。また、リビアで紛争が起こった2月以降、難民を含む約1万8千人人がリビアからランペドゥーサに到着し、この数はリビアを離れた人のうちの2パーセントであることも付け加えた。
避難してきた人でいっぱいになるランペドゥーサ島の人の流れを整えることが重要だとグテーレス高等弁務官は述べた。これらイタリアに来る人たちの中には、再び難民となる人たちもおり、「私の立場上、紛争が起きている所に彼らを強制送還するなことなどできない」と、移動してくる人たちを乗せた船をアフリカへ追い返すイタリアの政策に訴えかけた。
アンジェリーナ・ジョリー親善大使はグテーレス高等弁務官とラペンドゥーサ島で合流する前に、北アフリカからの船が辿り着くもう一つの場所、マルタ島を訪れ、リビアを始めソマリア、エチオピアや西サハラの暴動から逃れてきた多くの人たちがいる収容施設を訪問した。「マルタ島のおかげで多くの人たちが助かった。でも日々の支援が気がかりだ」と言い、「特に子どもたちの支援に関して、どのような形でこの状況をより人道的に改善できるかについて、今後も政府との話し合いにもっと時間を費やしていく」と言った。「逃れてきた人たちが刑務所のような環境でただ待つのではなく、一刻も早く庇護申請が認められることも考慮しなければと話し合った」と加えた。多くの人たちは母国にいる家族へ仕送りするため、仕事を見つけやすいリビアで出稼ぎをしていたと話した。「彼らは特定の国に行きたいと言ってるのではなく、ただ安全に働くことができる環境と自由が欲しいだけなのです」とジョリー親善大使は主張した。
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