ソマリア・ドロー(8月30日)発
アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は31日にソマリアを訪れ、何万人という国内避難民へのさらなる支援を強く訴えた。UNHCRはソマリア周辺国におけるソマリア難民85万人に加え、今もなおソマリアから逃れてくる1日に少なくとも1500人の難民の支援にあたっている。「国外へと難民を移動させることより、ソマリア国内での支援にもっと力を注ぐべきだ」と、グテーレス高等弁務官は述べた。
スウェーデン国際協力公使とともに実施されたグテーレス高等弁務官の今回の訪問は、未だ多くの人が緊急支援を必要としている、ソマリア国内での人道支援の拡大への新たなスタートを象徴した。極度の危険な状況が原因でUNHCRは断続的にしかソマリア国内へ入ることが許されなかった。大勢の人が命の危険にさらされながら食糧や水、避難所や生活支援を捜し求めるよりも、国際社会の力で直にソマリア内に支援を届けられることが望ましいとグテーレス高等弁務官は呼びかけた。さらにソマリア難民の庇護申請する権利を訴え「自国に残るという選択もする権利もあるべきだ」と、武力団体へ呼びかけた。
ドローで国内避難民は、枯れ枝とぼろ切れで作られた粗末なテントに暮らしているが、雨が降り、政府軍とアルシャバブ軍との争いが止むまでは滞在する多くの人は言う。またドローは、エチオピアのドロアド地域において、UNHCRが設置した4か所の難民キャンプへの通過地点となっている。特に農家の人たちはソマリア国内を出ず、雨が降ると予測されている10月までドローで待機する。UNHCRはソマリア人スタッフを多く雇っているNGOらと共に、アルシャバブが制圧している地域にいる人へ引き続き国際支援を提供していく。
UNHCRは9月中旬までに、緊急支援物資の配給を少なくとも40万人へと拡大していく。UNHCRはドローとドブリー、国境付近やモガディシュの現場職員の駐留にも力を入れていく方針だ。「この飢饉は節目であり、ソマリア難民が国外へと移動を強いられてると感じないためにも、適した避難場所を判断しなければならない。ソマリアにおける人道支援へのアクセスは徐々に開いており、私たちは支援に向けて一歩ずつ前進している」と、ブルーノ・ゲッドUNHCR駐ソマリア代表は述べた。
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