マナウス・ブラジル(10月24日)発
母国から遠く離れたアマゾンに抱かれた新天地で孤独に耐えながら生活するフランス語教師、カルロス*は、コンゴ民主共和国出身の難民である。安全と生活の機会を求め、コンゴから南アフリカを経由し、一年越しでブラジルにたどり着いた。コンゴ政府系の鉱業部門で仕事をしながら、快適でストレスのない生活を長く続けられるものだと思っていたカルロスは、2009年に政府の鉱山事業で対立する二つの地域の調整役として現場に派遣された。後に10万人規模の避難民が発生することになったその地域での交渉過程で双方から一方の肩を持っていると責められ、その命も脅かされた。
当時、カルロスの他40人がブラジル北部のアマゾナス州において庇護を求めた。多くの庇護申請者はサハラ以南のアフリカ出身者が最も多い。他にはバングラデシュなどのアジア出身者も含まれる。ソーシャルワーカーのローザによると、アマゾナス州マナウスでの庇護申請者の多くは政治的・宗教的迫害のため母国を逃れ、エクアドルに上陸した後、ペルーやコロンビアから船や陸路で入国し、多くが最終目的地として大都市サンパウロを目指していると言及する。
カリタス・マナウスのアンドラーデ神父は、遠くの大陸から難民や移民がブラジルへ向かう要因として、ブラジルが難民受入国として国際的評価が向上したことに加え、地理的要素の影響があると説明する。しかし、ポルトガル語習得を含め社会的・文化的統合の見地から庇護申請者の中には難民認定取得に確信を持てない人もいる。
UNHCRマナウスのスタッフは難民や庇護申請者に対して、パートナー団体と共に、緊急人道支援、職業教育、語学の訓練を通じ、地域統合を支援している。現在ブラジルには4,500人の難民が居住し、大陸別に64%はアフリカ、22%が南北アメリカ、11%がアジア出身である。ブラジル北部のアマゾナス州では主にボリビア出身の140人の難民と多くのハイチ出身者を含む2,000人が庇護申請者をしている。
*難民保護目的のため仮名を使用
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