タンザニア・カトゥンバ(4月16日)発、
アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は、1972年にタンザニアに強制退去を強いられた何万人ものブルンジ難民に対して市民権の付与を約束したタンザニア政府の画期的な決断を称賛した。
グテーレス難民高等弁務官のタンザニア南西部カトゥンバ地区訪問にあたって、タンザニアのローレンス・マーシャ自治大臣は、いわゆる1972年の「オールドケース」難民に対して、2008年以来政府が取り組んできた帰化プログラムを終了し、16万2000人もの難民に市民権を付与したと伝えた。また、1972年の「オールドケース」難民のうち、これに含まれない53,600人の難民は、2008年から2009年にかけてUNHCRの支援のもと自らの意志で帰還した。
マーシャ大臣は「あなたたちを難民としてではなくタンザニア市民として、私が最初に迎え入れたいと思います」と述べ、市民権を付与されることになったブルンジ難民に関する初めての正式な通知リストを公表した。
カトゥンバは、1972年の「オールドケース」難民が住んでいた3つの居住区のうちの1つである。同様の通知リストは、タンザニア入国管理局の高官によって、他の2つの居住区であるミシャモとウルヤンクルでも発表された。帰化したブルンジ難民は、タンザニアの一般市民のなかで生活することになる。
グテーレス難民高等弁務官は、これらのブルンジ難民に対して持続的な解決策を探すうえで「前例のない寛容さであり、勇気のいる決定である」とタンザニア政府を評価した。UNHCRの保護のもとで、1つの国が大規模な難民の帰化を一挙に受け入れたのは今回が初めてである。
「これは歴史的瞬間、まさに考えられ得る最善の解決策であり、我々は非常に幸せである」とグテーレス難民高等弁務官は述べ、タンザニアの人々とそのリーダーシップに対して「深い感謝と高い評価」を示した。
グテーレス難民高等弁務官とマーシャ大臣は、何百人もの人々が集まるカトゥンバで温かく迎え入れられた。元気付けられたブルンジ難民は、歌や曲芸ダンスなど、色とりどりのパフォーマンスを披露した。
カトゥンバを訪問したグテーレス難民高等弁務官は、帰化したブルンジ難民家族と言葉を交わした。1972年に両親とともにカトゥンバに逃れてきた52歳の農民、ボアス・ヨハナ・マジュト氏は、「特別な気持ちで一杯だ。移動の制限もなくなり、タンザニアでどこへでも自由に行くことができるし、やりたいことが何でもできるようになる」と喜びをあらわにした。
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