スイス・ジュネーブ(7月5日)発、
UNHCRは、今後3−5年で80万5千人以上の難民が第三国定住する必要が出てくると推測しており、受け入れ国の大幅な増加が必要であると訴えた。
新たな危機から避難する人が増え続けると同時に、過去の紛争も解決されない状況の中、自主帰還はこの20年で最も低い水準である。アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は、この現状をふまえつつ、より多くの国の第三国定住プログラムへの参加や受け入れの増加の重要性を強調した。
発展途上国にいる難民の80パーセント以上が、安全に残ることができず、地域社会に統合できる可能性もないような避難生活をしている。自主的帰還を望む難民がほとんどだが、紛争や迫害の恐怖により帰還できない場合も多く、その場合、第三国定住は安全で継続的な生活を送る唯一の手段となる。
UNHCRの第三国定住プログラムに参加している国は少なく、受け入れ国の不足が続いている。UNHCRが出した2011年の分析では、今後数年で過去最高の80万5千人の難民が第三国定住する必要があると予想されるが、第三国の受け入れ人数は8万人と増加しないままである。
第三国定住先の不足に関しては、7月6日から8日にかけてジュネーブにてスウェーデンとUNHCRが開く政府、非政府、UNHCR間の三者協議で主要議題として話し合われる予定である。 スウェーデンは欧州13か国中、最も多い1,900人/年の第三国定住受け入れ枠を設けている。毎年、第三国定住の90パーセントはアメリカ、カナダ、オーストラリアが受け入れているが、2009年9月に欧州委員会から提案されたEU共同再定住プログラムの設置をUNHCRは歓迎し、欧州の更なる協力を期待している。
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