UNHCRハルツーム(12月21日)発:
スーダン北部で長期に渡る避難生活を送っていた南部出身の約5万5000人が、来月行われる独立に向けた国民投票に先立って故郷に帰還を始めた。
「ハルツーム周辺にある避難民キャンプでは、何千人もの南部出身者が荷造りなど、帰還の準備を始めている。他方、南部へ帰還を果たした人は緊張感の漂う、不安定な環境におかれている」UNHCR報道官が報告した。
先週、UNHCRは3万5000人の帰還民、そしてこの歴史的な出来事を可能にし、北と南の架け橋ともいえる、受け入れ地アビエイとその周辺地域に対してシェルターなどの緊急援助を始めた。
さらにUNHCRは帰還ルートに一時滞在所を設け、帰還民の支援にあたっていると同時に、南部の主要地区や、周辺国においてUNHCRのプレゼンスとキャパシティーの強化を図っている。
2005年1月にハルツームのスーダン政府とスーダン南部の主要勢力、スーダン人民解放軍の間で南北包括和平合意がなされて以降、約200万人がアビエイ、ブルーナイル、そして南コルドファンに帰還している。これに加え、周辺国に逃れていた33万人の難民がUNHCRなどの支援を得て帰還している。
今年に入りスーダン南部では、民族対立や反政府勢力の襲撃などによって、1月以降、国内避難民となった21万5000人を受け入れている。
治安の悪化、公共サービス、生活必需品へのアクセスの欠如、及びインフラの未整備という環境の中で、帰還民に対し、恒久的解決の手段を見出すことは、厳しさを増す。このような状況の中で
UNHCRは引き続きスーダン南部への帰還民の援助と、地域への統合を後押しする。
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